潮位偏差とは — 潮見表の数字と実際の海面がずれる理由
潮見表に載っている潮位は、月と太陽の動きから計算した天文潮位(推算値)です。実際に海面がその高さになるとは限らず、気象条件によって数十cm単位でずれることがあります。この「実測潮位 − 天文潮位」の差を潮位偏差と呼びます。
気圧による吸い上げ効果
大気が海面を押す力が弱まると、その分だけ海面が持ち上がります。目安として気圧が1hPa下がると潮位は約1cm上がるとされ、逆に高気圧に覆われると海面は下がります。台風や発達した低気圧が近づくと中心気圧が周囲より数十hPa低くなるため、それだけで数十cmの上昇要因になります。
風による吹き寄せ効果
岸に向かって強い風が吹き続けると、表層の海水が岸に押し寄せられて海面が上がります。この効果は水深が浅く奥まった湾ほど大きくなり、湾の奥では気圧の影響より吹き寄せのほうが大きくなることもあります。風が沖に向かって吹く場合は逆に海面が下がります。
海流・水温による長期的なずれ
黒潮の流路が変わったり、海水温が平年より高い状態が続いたりすると、海水が膨張して数十cmの高い状態が数日から数週間にわたって続くことがあります。気圧や風のように数時間で戻るものではないため、この期間はずっと潮見表より海面が高いままになります(高潮と異常潮位で詳しく説明しています)。
河川流入
大きな河川の河口付近では、上流の降雨による流入量が増えると水位が押し上げられます。影響が及ぶ範囲は限られますが、河口の地点では無視できない要因です。
実測との差を確認する
しおどきでは、気象庁「潮位観測情報」に対応している観測点について、各地点ページに「実測潮位は天文潮位より○cm高く(低く)なっています」という速報値を表示しています。全国すべての地点で出せるわけではありませんが、対応地点では推算値がいま実際どれだけずれているかの目安になります。
潮位という数値そのものの読み方は潮見表の見方で解説しています。
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